ユニット「アリ地獄 」390枚組&210枚組
今回は前回のアリ地獄390枚組(と210枚組)の続きです。
長くなるので二回に分けました。
左が210、右が390
210枚組と390枚組は変形十二面体を元にしていると言いましたが、こちらのサイト↓も大いに参考にさせてもらいました。
200: 正二十面体型ウイルスの準対称性 (Quasisymmetry in Icosahedral Viruses) - 今月の分子 - PDBj
Bluetonguevirus(BTV) Rotating Animation Stock Animation | 7811111
リンク先↑と下↓の比較画像を見てもらえれば、
210枚組はバクテリオファージ HK97か、もしくはシミアンウイルス40と同じ構造をしていて、
390枚組はブルータングウイルスと同じ構造になっているのが分かります。
(画像は著作権法とリンク先のFAQに基づいて引用しています)
210枚組
(C)「日本蛋白質構造データバンク (PDBj)」
ユニットが5つ、もしくは6つ集まっている所、リンク先の言葉を借りるなら「5量体(赤色)」と「6量体(黄色)」の数と配置が、右の引用画像の右下のバクテリオファージと同じになっています。
こちらも210枚組
(C)「日本蛋白質構造データバンク (PDBj)」
左の画像は上↑の210枚組の画像を反転させたもので、つまり鏡像ですね。
この鏡像の5量体と6量体は、右の引用画像の左側のシミアンウイルスのイボイボと同じ配置なっています。
390枚組
390枚組はユニットが3つ集まっている所(ユニットの縦線を辺とみなした場合、その辺が作る三角形)が、右の引用画像のブルータングウイルスのイボイボの数と配置と同じになっています。
(根性で色分けしました。。)
前回、390枚組を構成する三角形は「正三角形に近い三角形」であって正三角形ではないと言いましたが、上の画像を見ると緑、黄、灰、赤、青と、5つの属性を持つ三角形でできている事が分かります。
そんなわけでして210枚組は名前を付けるとしたら「バクテリオファージ型」もしくは「シミアン型」、
390枚組は「ブルータング型」になりますかね?
ちょっとおどろおどろしげな名前な気もしますが、、、そもそもアリ地獄って名前がおどろおどろおどろしいし……?
一度やってみたかったんですよねぇ。。
以下はうだうだと付記です、、、
前回の390枚組の組み方についての補足です。
210枚組と390枚組は共にこのブログで何度も述べている「正二十面体対称性」を持っているので、全体で正二十面体になる様に一様に組んでいきます。
390枚組
上の↑390枚組の、正二十面体の一面である正三角形を切り取るとこうなってます↓
(↑赤い部分が正二十面体の頂点にくる5量体)
ウイルスの構造にもその正二十面体対称性を持つものが多いのがよく分かります↓
(↑赤い5量体を結ぶと正二十面体になる)
正二十面体の12個ある頂点はユニットが5つ集まる様に(5量体)組み、それ以外は6つ集まる様に(6量体)組んでいきます。
(ちなみに上のお借りしている画像の、タバコ壊死サテライトウイルスとトマトブッシースタントウイルスとヌダウレリアカペンシスオメガウイルスの5量体と6量体の配置は、それぞれアリ地獄の30枚組と90枚組と120枚組に対応しています)
『ユニット折り紙ファンタジー』を持っている方ならこの辺の説明は不要かと思ってうっかり説明を省いてしまいます………
………で、す、が、
先日ツイッターを眺めていましたら、アリ地獄で一つの頂点にユニットが7つ集まる(つまり7量体ですね)300枚組をアップしている方も見つけてびっくりしました。
新しいユニットを開拓しようと思ったら固定観念は捨てていかないとダメですね♪